韓国では、現在、南北統一は非現実的であるとし、平和な関係を築くことを目指したい風潮である。そして南北関係改善に伴い露見した、北朝鮮についての教育が不十分であることを受けて、教育の見直しが起きている。 統一に関する新たなカリキュラム作成は今、韓国で「喫緊の課題」である。
北朝鮮では韓国について事細かに教育を受けるのに対し、韓国側は北朝鮮についての教育も専門家も圧倒的に不足していて、また韓国の若者の北朝鮮への関心が薄いのが現状。
今年、統一教育ガイドラインは、5/9ページに縮小され、その名称に「平和教育」という文字が入れられた。完全な統一よりも、北朝鮮と平和な関係を築くことの方が現実的で近しいゴールであるとする文在寅大統領の主張が反映されたためと言われている。
・教育について
韓国の学校教育では北朝鮮についてきちんと教えているといえない。一般的に、北朝鮮は1つの章として教科書で取り上げられ、小学校4年生と6年生のときに年に1度、中学校では簡潔に、また高校では1度だけ教えられると、ロイター通信の取材で教師2人が話している。この1年の融和ムードにより、関係強化の見通しが立ち始めた。
・専門家の不足について
南北間における文化交流や政府間の交流が増える中で、北朝鮮専門家はますます重要になっているが、官民双方の研究機関でこうした専門家が不足している。一因には教育上の欠点がある。
韓国統一研究院(KINU)の研究員は「地方政府はどこも南北交流計画を打ち出しているが、専門家はおらず、知識もネットワークもない」と指摘している。
・韓国では統一を支持する世論が低下
1969年に政府が実施した調査では90%が「統一を支持する」と回答
韓国政府系シンクタンク『韓国統一研究院』の調査では、
2014年には70%近くが「統一は必要」と回答
2018年では58%に低下している。
まいじつ https://myjitsu.jp/archives/54564
*2018年11月28日 松野
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